二ツ目勉強会 やっちゃう?!
らくごカフェで「二ツ目勉強会 やっちゃう?!」を開催しました。2020年10月に落語協会と落語芸術協会から二ツ目になったばかりの若手の噺家さん2名ずつにお声掛けしてスタートした勉強会も今回が第18回。足掛け4年、ほぼ隔月で開催してきたが、今年12月、つまりは次回をもって一旦、会を休止することになった。
個性がそれぞれに違う4人がしのぎを削ってきたこの会には毎回来てくださる常連さんもいらっしゃって、大変に心苦しいのではあるが、4人がこの3年間で大きく成長し、活躍の場も増えてきて忙しくなってきたこともあり、ここはひとつ、「発展的解消」ということで4人のメンバーと話し合って決めました。
またこの4人が真打を目指して勉強しよう!という時期になったら、隔月は難しいかもしれないが、1年に1回とか2回、「新・やっちゃう?!」として復活するのも面白いねという話も出ている。さあ、とりあえずの最終回は12月8日。あえてテーマを設けずに、それぞれが演りたいネタを思い切り演っちゃう?!である。
昔昔亭昇「死ぬなら今」
地獄に逝った赤螺屋吝兵衛さん、地獄の沙汰も金次第ということで、閻魔様や赤鬼、青鬼たちに多額の袖の下を渡して罪状を免除してもらったが…。その小判は贋金ということが発覚して、極楽の警官隊は地獄の役人たちを全員牢屋にぶちこんでしまった…。「地獄八景」のようなクスグリを沢山入れ込んで、昇さんらしい愉しい一席に仕上がっていた。
三遊亭花金「猫久」
普段猫の様におとなしい八百屋の久六さん、通称猫久さんが血相を変えて「あの野郎、ただおかない!」。これを見た熊さんが猫が暴れ出した!と騒ぐのをたしなめた人品賤しからぬ侍。「しかと左様か」「それに相違ないな」「あっぱれ、感服つかまつった」「もそっとこれへ」。お侍の繰り出す言葉を家に帰った熊さんが付け焼き刃で女房に話すのが可笑しい。「逃れ笊屋と喧嘩をしたんだ!」「戴くカカアと戴かないカカアは、戴くカカアの方が本物なんだよ!」。
林家彦三「兵庫船」
マクラで小田原名物の蒲鉾、鈴廣が美味しい。鈴本と末廣亭が混ざっているというのが可笑しかった。江戸っ子の留と吉、それに大坂の初老の男の船の上での謎かけ風景が愉しい。そして、鮫の犠牲者となる運命の講釈師が繰り出す、赤穂義士銘々伝から武蔵坊弁慶、お富与三郎、鈴ヶ森、四谷怪談…。二龍斎停船の読む五目講釈に拍手喝采。
三遊亭ぐんま「浮世床~本・夢」
源ちゃんの太閤記を読むたどたどしさも面白かったが、「半ちゃん、一つ食わねえか」と半公を起こして、「年増に攻められて、ろくすっぽ寝ていない」からはじまる色っぽい話が実に良かった。芝居見物の娘、年の頃なら二十七、八という女性との色恋沙汰…?とすっかり思わせる雰囲気、話しっぷりが巧みで「これは夢なんだよな」と判っていても、なんだかリアルに想像してしまう力量が素晴らしい。