三遊亭兼好 人形町噺し問屋

「三遊亭兼好 人形町噺し問屋」に行きました。「町内の若い衆」と「質屋庫」の二席。5番弟子のげんきさんが3分だけ、けろよんさんの前に上がって開口一番を勤めた。聾の親子の小咄。それと、ゲストのこ~すけさんのジャグリング、素晴らしかった。拍手喝采!

「町内の若い衆」、男勝りのおかみさんが豪快。亭主の金太郎が結婚を決めた理由は、彼女が蛇を退治した強者ぶりというのが可笑しい。石を投げて気絶させ、棒で叩いて殺したという…今流行りの二刀流!友達の半ちゃんが「苦み走ったいい女」と表現していたのも笑えた。

「質屋庫」。陽気は気を残さないが、陰気は気を残すとマクラで振っていたのに、納得。三番蔵から化け物が出るという噂に、番頭の妄想の膨らみ方が愉快。呉服屋が2分と言った帯を、亭主に遠慮して1分と言ってしまった女房の懸命な節約。2合のお酒を1合半に抑えて、余ったお金を竹筒にストン、カラカラ、チャリン!余命僅かとなった女房が、看病する妹に「あの帯さえあれば形見に渡せるのに…」と気を残すという…。

三番蔵の監視要員として、番頭さんと一緒に借り出された熊さん、何の用件か判らずに、小僧の曖昧な情報を基に「何が旦那に見つかったのか」を推測するところも面白い。燗冷ましの酒のおこぼれが、エスカレートして酒樽を盗み出したこと、沢庵の尻尾を貰ったのが、エスカレートして漬物樽を盗み出したこと、正直に洗いざらい旦那に白状する熊さんが憎めない。