二ツ目勉強会 やっちゃう?!

らくごカフェで「二ツ目勉強会 やっちゃう?!」を開催しました。第15回である。コロナ禍の2020年10月にスタートさせたこの会も足掛け4年になるわけだ。その年に二ツ目に昇進した落語協会2人と落語芸術協会2人の4人が隔月で何か挑戦してこう!という志ゆえ、「やっちゃう?!」という名前にした。4人のキャラクターが全く違うし、4人とも古典も新作も演るので、番組がバラエティー豊かになっているのは、本当にありがたいことだ。今回は「閻魔大王に『面白かったら極楽に行かせてやるよ』と言われたときに演る噺」というテーマを皆で考えだして、取り組んだ。

三遊亭ぐんま「狸札」

出囃子がメタルロック(?)、音楽にあまり詳しくないので間違っていたらごめんなさい、兎に角激しい洋楽で登場したぐんまさん。これが地獄というイメージらしい。小学生時代に友人がおじいちゃんから犬をプレゼントしてもらったというので、遊びに行ったら、籠の中に狸がいて、本当のことが言えず、「かわいい犬だね」と言ったのが生涯で唯一の嘘だと閻魔様に告白するマクラが愉しい。そこから本編に入り、サゲがぐんまさんらしいシュールなオリジナルで、ビックリ!

昔昔亭昇「饅頭怖い」

ディズニーランド大好きの昇さんが、閻魔様に体験談を喋るという体裁で、たっぷりとマクラを振ったのが、いかにも昇さんらしい。何でも、ドリーミングアップという昼のパレードが4月9日で終わるというので駆け付けたが、強風と雨の為に、開始15分前に中止になった、5時間以上並んだのに!という、ディズニー愛溢れる昇さんらしい実体験を熱く語る。これで閻魔様は許してくれたかどうか、は定かではない(笑)

林家彦三「鼓ヶ滝」

前の二人がまさか「あんな小芝居をしてくるなんて!」思ってみなかった、私は普通に演りますとクールなところが、彦三さんらしい。故郷・福島県田村郡小野町で自分の会が明後日からスタートすると言って、地名にもなっているゆかりの人物、小野篁(おの・たかむら)について触れる。小野小町の祖父で、嵯峨天皇に仕え、著名な歌人でもあった。そこから和歌三神の噺へ。閻魔様には、神様の噺で対抗しようということかな?

三遊亭花金「大工調べ」

中入り前の二人は地獄に落ちているでしょう、と冗談で笑いを取った後、何事も下手(したて)に出た方がいい、閻魔様にも「謙虚な気持ちで」で接するのがいいと言ってこの噺。棟梁は大家に対し、下手下手に出て、何とか与太郎を許してやってほしいとお願いするのだが。大家の方も「たかが」800足りないことを許さず、最後は棟梁がブチ切れてしまった。棟梁の啖呵が気持ち良いし、それに対する与太郎の惚けた反応も愉しい。閻魔様もさぞ満足の高座だったのではないかしらん。