新宿末廣亭二月中席六日目夜の部
新宿末廣亭の二月中席六日目夜の部に行きました。今席は春風亭柳雀師匠が真打昇進後、初めての主任を勤める興行だ。成金メンバーが柳雀師匠含め6人出演とあって、開演前から1階は満席の盛況だった。柳雀師匠は現在51歳。37歳で入門し、50歳で真打昇進という遅咲き。羽光師匠が「僕も34歳で入門したので、前座時代、いつか末廣亭でトリを取るように頑張ろう!と言い合った仲です」と祝う。小痴楽師匠は「生前、柳雀さんは末廣亭でトリを取るのが夢だと言っていました」とからかう。それを受けて、柳雀師匠も「追悼興行にようこそ」と受ける。そんな和やかな流れで、とても楽しかった。
「子ほめ」春風亭昇ちく/「鷺取り」瀧川鯉丸/バイオリン漫談 マグナム小林/「俳優」笑福亭羽光/「三方一両損」神田伯山/コント D51/「権助魚」桂宮治/「時そば」瀧川鯉橋/ハッポウ工芸 できたくん/「擬宝珠」桂文治/中入り/「紙入れ」瀧川鯉斗/漫才 カントリーズ/「迷答」昔昔亭A太郎/「粗忽長屋」柳亭小痴楽/曲芸 ボンボンブラザース/「居残り佐平次」春風亭柳雀
鯉丸さん、デイリーヤマザキのマクラが疑問符。鷺がコツンと叩かれて、アーンと気絶するところが可愛いのに…。マグナム先生、赤ん坊の泣き声イイネ!暴れん坊将軍のテーマの馬の嘶き、蹄の音付きで最高!羽光師匠、メタ落語大好き。親父、部長、コンビニ店員…、マトリョシカのような構造が愉しい。
伯山先生、江戸っ子代表として小痴楽師匠を挙げる。吉五郎の三河町と金太郎のの白壁町の江戸っ子対決、大家も混じって実に愉快。D51先生、すまんの、すまんの、満濃町。四国は香川の町。今は合併して、まんのう町に。宮治師匠、悋気の女将さんは悪魔が憑依したかのような怖い表情で面白い。
鯉橋師匠、散々かき回された客席のお掃除役。そばの汁をすする音が三三七拍子。隣町のそば屋はベートーヴェンが好き(笑)。「助けて」落ち。できたくん先生、200℃の熱で発泡スチロールを溶かしている。うさぎ、だるま、注文でアンパンマンと鯉斗師匠。
文治師匠、フェイント。恋煩いではないと若旦那が言って、熊さん「これは崇徳院じゃないんですね」。擬宝珠を舐めたいが、「宮治が聞きたい」に、あんな五月蠅い落語が聞きたいのか?(笑)。鯉斗師匠、魔性の女将さん。カントリーズ先生、ガタガタうるさい落ち。
A太郎師匠、モノローグ落語が斬新。半ズボンのところ、とても可笑しい。国の宝?芸が乱れちゃうよ。歌わないよと言いつつ、中島みゆき「時代」を熱唱。小痴楽師匠、これぞ江戸前の芸。ボンボン先生、いつも楽しい。お客さんに帽子を投げてもらい、頭でキャッチする芸。きょうは二投目で鮮やかに決まった!
柳雀師匠、「まだまだ生きるよ!」。無一文を白状するところ、「唐人の尻」=カラッケツ!お尻プリプリが可愛い。霞さんの間夫の芝から来ている客の勝っつぁんを持ち上げる。神田や芝は粗末にゃならぬ、末は神輿の据えどころ。
売れっ子居残りの活躍。「いのどーん、13番お座敷!」に、阿波踊りの鳴り物が入り、柳雀師匠が立ち上がって踊る一幕も。サゲは「何、居残りを商売にしている?ふざけた野郎だ。畳んじまえ!」「布団部屋に運んでください」。
とても楽しい4時間だった。