【アナザーストーリーズ】戦後最大のヒーロー・力道山 知られざる真実(7)

NHK総合の録画で「アナザーストーリーズ 戦後最大のヒーロー・力道山 知られざる真実」を観ました。

きのうのつづき

リ・スニルは北朝鮮で思わぬ人物に会っていた。力道山の娘、キム・ヨンスクだ。力道山には北朝鮮に妻子がいたというのだ。日本に渡る前に結婚し、戦時中、相撲の巡業で満州に行く途中に故郷に立ち寄ることがあったという。そんな中、娘が生まれたのだ。3歳で会ったのを最後に連絡は途絶えていた。

時が流れ、日本で成功を収めた力道山はある人物と出会う。北朝鮮に太いパイプを持つ大阪の実業家、キム・ヨンピルだ。その息子ビョンスが二人の交流を間近に見ていた。

二人が生駒山にドライブしたらしい。父親が「いつまで日本人ヅラしているんだ、お前は」と言って、日本人に君は十分に勇気を与え、日本の戦後復興に大きく寄与した。ところが、我々在日は日本の中で差別を受け、そういう社会状況に苦しんでいる。その同胞たちが君が朝鮮人だと言ってやれば、日本で英雄にもなれる、夢を追うことができる、そういう勇気を与えることができるんだよと。力道山さんが「そういう民族心の大切さを言ってくれたのは社長が初めてだ」と涙を流したということを父親が私に言っていました。

力道山がこの同胞の実業家に相談を持ち掛けたという。

娘さんが北朝鮮にいるから、何とか連絡を取れないものかと。そこでも父親が色々と尽力したみたいですね。

1961年秋。力道山の娘は北朝鮮から船で新潟港にやって来た。相談を受けたキム・ヨンピルは力道山を車で新潟まで連れていった。

暴風雨で車を慎重に運転していたらしいです。力道山さんは一刻も早く娘に会いたいと言って、運転を代わって、暴風雨の中をそれこそすっ飛ばして行ったと言っていました。

再会のとき、力道山は娘と以下のような話をしている。(リ・スニルの取材テープの音源より娘キム・ヨンスクの話)

私は父と体型が似ていて大きくて、体育に興味がありました。学校に通っているときにバスケットボールの選手として選出されました。だから父に「オリンピックの代表選手になって日本でまた会おう」と言われました。

二人は船の上で短い再会の時間を過ごした。

つづく