【アナザーストーリーズ】立花隆vs.田中角栄(7)

NHK―BSプレミアムの録画で「アナザーストーリーズ 立花隆vs.田中角栄」を観ました。

きのうのつづき

日本外国特派員協会。はじまりは終戦直後、マッカーサー元帥の従軍記者たちが作った宿泊施設。その後、戦後日本の節目節目で数々のドラマを発信する舞台となった。

外国人特派員が角栄を招いた会見。限られた一部の映像しか残っていなかった。しかし、今回の取材で貴重な音源が見つかった。総理の紹介は辛口なジョークで始まる。

みなさま、総理大臣を紹介します。彼の経済活動の出来事は、最新の「文藝春秋」を読めばよくわかります。彼の書いた本、「日本沈没」…ゴメンナサイ、「日本列島改造論」の間違いでした。

質問は金脈問題に終始した。

政治家の個人財産の公表をどう考えるのか?

「文藝春秋」の記事へのコメントは?

「文藝春秋」の記事の正確さを認めるのか?それとも否定するのか?

田中は個人の財産について弁明をするものの、記事にはコメントせず、険しい表情が続いた。会見は総理が途中で打ち切る異例の事態となった。

ジェイコブは言う。

昔からアメリカ人は日本人よりも、お金のスキャンダルについて重視していました。日本の記者にとってお金の問題はスキャンダルとは思っていなかった。少なくとも異常なこととは捉えていなかったのです。昔から日本の記者たちは政局ばかりに注目して、その裏の問題については関心を示しません。お金のスキャンダルや疑惑も重要な事件であると気づくターニングポイントになったと思います。

答弁とその動揺ぶりに、田中角栄の金脈疑惑は瞬く間に世界に打電された。すると、掌を返したように翌日から一斉に日本の新聞にも、文春や金脈問題の文字が踊りはじめた。ついにマスコミも会見を迫った。

ノンフィクション作家の塩田は語る。

日本の新聞社の一種の国際感覚の乏しさみたいなものが、日本以外の新聞社であれば当然重大な事件になるのに、重大にあまり思わなかったというのはあると思います。その後、ロッキード事件やリクルート事件が出てきたときに、新聞社が昔のような態度だったかというと、全然そんなことはありません。新聞も雑誌もテレビも競争して取材するようになっていく。

国会でも野党の追及がはじまる。

室町産業という会社はどういう会社ですか?電話したけれども、電話がかからん。代表者も不在である。

田中総理の弁明が興味深い。

幽霊会社だとか色んなこと言ってますけどね、日本のように車があって本社があって人がいっぱいいなければ会社ではないというのは日本的な考え方です。

厳しい世論の高まり。政権発足から2年。「文藝春秋」発売から1か月半。田中角栄はついに退陣を決意した。

首相秘書官だった小長は言う。

自分の個人の問題で予算委員会あたりで朝から晩までやられる。総理大臣の権威を失墜することになりかねない。それは堪えられないというのがあったと思うし、田中さんのスタッフがまた証人喚問に呼ばれてやられるというのも耐えられないという感じもあったと思います。

つづく