【團菊祭五月大歌舞伎 第1部】「祇園祭礼信仰記 金閣寺」

歌舞伎座で「團菊祭五月大歌舞伎 第1部」を観ました。(2022・05・16)

「祇園祭礼信仰記 金閣寺」。

舞台は春爛漫の京都鹿苑院の金閣。ここに立て籠もり、時節を窺う松永大膳が、弟の鬼藤太を相手に碁を打っている。王子の鬘に小忌衣を着る大膳は“国崩し”という役柄。一方、囚われの身になっている雪舟の孫の雪姫は、八重垣姫、時姫と並び“三姫”と呼ばれる女形の大役。

そこへ、大膳への奉公を望む此下東吉がやって来る。大膳と東吉が碁を打つ、「碁立」と呼ばれる場面、さらに大膳が井戸へ投げ込んだ碁笥を東吉が手を濡らさずに拾い上げる場面、東吉の才知が現れる。

やがて大膳の所持する刀から、雪姫は大膳こそ父の仇と知り、詰め寄るが、かえって大膳に組み敷かれ、縄で桜の木に縛られてしまう。満開の桜の花が散る中、嘆き悲しむ雪姫…。

縄目の雪姫が雪舟の故事を思い出す。桜の花びらで鼠を描くと、鼠に魂が入って縄を食いちぎる。「爪先鼠」と呼ばれる場面は、この芝居の中の最大の見どころだろう。

続いて東吉が桜の幹伝いに金閣の階上へと上がり、幽閉されている慶寿院尼を救い出す。慶寿院尼を演じる福助が少しずつ舞台に復帰しているのが嬉しい。

松永大膳久秀:尾上松緑 此下東吉後に真柴筑前守久吉:片岡愛之助 十河軍平実は佐藤虎之助正清:坂東亀蔵 大膳弟松永鬼藤太:尾上左近 狩野之介直信:上村吉弥 慶寿院尼:中村福助 将監息女雪姫:中村雀右衛門