【漫才協会 第52回漫才大会 第3部】3時間15分で27組の漫才を観た(下)

浅草演芸ホールで「第52回漫才大会」を観ました。(2021・12・30)

きのうのつづき

メディアで知名度が高いねづっちやナイツが、それに甘んじることなく新鮮なネタを披露するのには舌を巻く。

ねづっちは落語芸術協会に所属して、寄席に出るようになってから2年以上になるが、ますます漫談の上手さに磨きがかかってきた。なぞかけとは違う洒落を利かせた漫談。特に自分の「嫁」をネタに愚痴をこぼしながら、洒落を織り込むネタは定番になってきたが、いつも新鮮なネタにリニューアルしている。

この日は、冒頭で認知症ネタの漫談が光っていたが、最後に残り時間でお客さんからお題をもらってなぞかけをしたとき、「認知症」というお題が飛び出して、苦笑いしていたが、「カレーをかける」「ナンだっけ?」と涼しい顔で整えて、そのバリエーションの広さに感服するばかりだ。

宮田陽・昇の日本地図で広島までの都道府県を表現する定番ネタ。きょうは東京までいったところで、23区まで披露し、台東区の浅草に辿り着くのを初めて見て新鮮だった。昇先生の息子ハルキを話題に、今、小学校は社会と理科が一緒になって「生活科」になっている、歴史の教科書から武田信玄が消えようとしていた、ときちんと調べ上げてネタにしているのもすごい。

東京太・ゆめ子先生、自分たちを「後期高齢者夫婦漫才」と称しながら、今も昔も変わらないチクハグ漫才を披露してくれるのが嬉しい。かくしゃくとしていて、ちっとも衰えていないのがすごい。「もう、帰ろうよ」の定番フレーズも、これだから生きる。

ナイツはプロフェッショナルだ。当日に放送される紅白歌合戦の出場歌手の名前をネタにテンポよくボケをかましていくのは至芸。AI、人工知能?上白石、上石神井。大泉洋、大泉学園。天童よしみが「あま河童よしみ」。藤井風は、藤井のような?トリの二人、MISIA(ミーシャ)に、マシャ(福山雅治の愛称)。すごいセンスだ!!!