【プロフェッショナル 楽天イーグルス・田中将大】大好きな野球だから、どんなことがあろうと戦い抜く(7)
NHK総合の録画で「プロフェッショナル 仕事の流儀 楽天イーグルス投手・田中将大スペシャル2021」を観ました。(2021・12・06放送)
きのうのつづき
あの日本一から8年。
今シーズンも大詰めの9月下旬。田中は2位オリックスとの一戦に臨んだ。
ストレート、変化球ともに冴え、6回まで3安打無失点の好投。しかし、7回にランナーを3塁に背負った。試合は0対0。1点も許されない勝負所。だが、痛恨のワイルドピッチで失点。この日も勝てなかった。
田中が語る。
これだけチームの勝利もしていない。こういうことは僕は初めてだと思うんで。この長い期間、自分自身も勝っていないというのは、初めてだと思うので、これだけの期間。
震災から10年。勝つことを請け負った田中がぶつかった苦い現実。それでも田中は…。
もう、やり続けることじゃないですか。戦い続けることやと思いますよ、常に。そこから逃げた瞬間、もう終わりだと思いますから。何回谷底に突き落とされようが、這い上がれるまで登り続けますよ。「気持ち」というところは、一番大事に。
10月3日、0-2ロッテ。10日、2-3西武。17日、5-6西武。負け続けた。今シーズン、残すは1登板。田中は最後までもがき続けていた。
外角低めのストレート。あの原点に投げる感覚、そして投げ切る強い気持ちを取り戻せるか。
10月25日。今シーズン最後の登板を迎えた。投げ合う相手は、今、球界最強といわれるオリックスの山本由伸投手。
田中がマウンドにあがるとき、流れたのはあの日本一を決めたときの登場曲「あとひとつ」。田中自身がこの曲でいきたいと希望した。
あと一粒の涙で ひと言の勇気で 願いがかなう その時が来るって 僕は信じてるから 君もあきらめないでいて 何度でも この両手を あの空へ
序盤から田中は強気に攻める。変化球も冴えた。対するオリックスの山本も圧巻の投球を見せる。両者いずれも譲らないで迎えた5回。田中は初めて得点圏にランナーを背負った。オリックス、1点先取。
そのとき、ピンチの中、田中は笑った。
田中が語る。
自分がやるべきことというのは、ずっと向き合い続けてやってきたつもりです。最後まで自分が色々と取り組み続けて、マウンド上でしっかりとその日のベストを尽くすことができたので。
後続を抑え、踏ん張った。そして、緊迫した投手戦が続いていた6回。ツーストライク。勝負の一球。ここでキャッチャーが構えたのは原点。見逃し三振。追い求めてきたストレートが決まった。
期待と重圧の中、苦しみ続けた一年。田中は最後の試合、今年一番の投球を見せた。8回2失点で負け。チームは3位でシーズンを終えた。
田中が語る。
大好きな野球だし。そもそも大好きな野球をやっているという原点に返るというか。そこも、好きな野球をつまらなくやっててもね、嫌いになってしまうだけなので。どんなときでも根底には、野球が好きだという気持ちがあるので。
来シーズン、田中はこのチームで再び日本一を目指す。負けず嫌いは、ここから這い上がる。
どんなことがあろうとも好きな野球で戦い続ける田中将大選手に大いに共鳴しました。ありがとうございました。