【プロフェッショナル 楽天イーグルス・田中将大】大好きな野球だから、どんなことがあろうと戦い抜く(6)
NHK総合の録画で「プロフェッショナル 仕事の流儀 楽天イーグルス投手・田中将大スペシャル2021」を観ました。(2021・12・06放送)
きのうのつづき
2011年3月11日。あの震災が発生したとき、チームは遠征に出ていた。仙台に戻ったのは4週間後のことだった。そこには変わり果てた町の姿があった。
田中が語る。
言葉がなかったです。あの光景っていうのは、ちょっと何と言っていいか、言い表せないですけどね。
当時22歳だった田中に、湧き上がった思い。震災から1カ月半、ようやく仙台で試合ができた。この特別な試合の先発を担ったのが、田中だった。
ブルペン捕手だった長坂健冶が言う
いろんな思いを背負って、口には出さないんですけども、東北の方々に少しでも勇気を与えてられたなという思いで、その思いでしっかり腕を振っていました。
田中も。
絶対、勝つ。あの声援に応えないといけないというのは、すごく感じていたので。
声援を一身に背負い、田中は勝ち続けた。
そして、2013年9月。リーグ優勝をかけた試合に臨んだ。
1点リードで迎えた9回。ワンアウト2塁3塁、一打逆転のピンチ。
当時の捕手、嶋基宏が振り返る。
初球は僕が変化球のサインを出して、田中が首振って、外真っ直ぐに投げてきたと思う。
田中が選んだのは外角低めのストレート。あの、原点。
田中がね、これは真っ直ぐで攻め切る、その一球で覚悟しました。
その後も6球連続ストレート。田中に迷いはなかった。
最後の一球も、原点。
当時の投手コーチ、佐藤義則は言う。
100点満点以上ですよ。だって、構えたところ全然、嶋のミットが一個も動かなかった。真っ直ぐに自信があったと思う。
三振。試合終了。楽天、初優勝。
そして、巨人との日本シリーズ第6戦。3勝2敗で王手をかけて臨んだ試合の先発は田中。9回160球を投げて、負けた。
でも、田中は諦めていなかった。試合後のトレーニングルーム。
トレーナーの星は振り返る。
そのときにボソッと「明日、行く準備はしますね」っていう一言は言ってましたね、そのときに。
翌日、日本一をかけた最終戦。リードして迎えた9回。
星野監督は主審に告げた。「ピッチャー、田中」。
そのときに流れた登場曲は「あとひとつ」。
三振。東北楽天イーグルス、日本一。
つづく