【プロフェッショナル 楽天イーグルス・田中将大】大好きな野球だから、どんなことがあろうと戦い抜く(5)

NHK総合の録画で「プロフェッショナル 仕事の流儀 楽天イーグルス投手・田中将大スペシャル2021」を観ました。(2021・12・06放送)

きのうのつづき

シーズン後半戦がはじまった。前半戦の不振から這い上がれるか。外角低めのストレート、原点を取り戻し、メジャーで磨いた変化球も生かす。シン・マー君への模索が続いていた。

多彩な変化球の状態を細かく確認していく。課題の原点のストレートは…。体の柔軟性が上がり、フォームが改善されてきていた。シン・マー君への光が少しずつ見えてきた。

翌日。チームに危機が訪れた。重要な抑えのピッチャーが故障。大きな戦力ダウンとなる。田中が動いた。チームに貢献しようと自らの技を伝えていく。

翌日の試合。田中は7回1失点の好投。だが、チームは1対3で負けた。試合後に発表された田中の防御率は2.73。チームでトップ。リーグ全体でも3位だった。

しかし、田中が好投しても勝てない試合が続いていた。だが、田中は打線の弱さにではなく、自分の脆さに原因があると考えていた。

田中が語る。

自分自身、先にやっぱり点を取られてしまうことが多いし、勝っていても、終盤に自分が投げてて、2点3点取られて逆転されてしまうというケースもあるし、そういう要所のところを抑えきれていないので。自分自身のそこは未熟さですね。自分がなかなかうまく、ボールもそうだし、精神的な部分もそうだろうし、うまくコントロールできていないかなとは思います。

9月20日。優勝を目指す上で重要な一戦を迎えた。ホークス戦。

1回は三者凡退に抑え、2回も順調にアウトを積み重ねたが、ツーアウトで盗塁を許す。初めて、得点圏にランナーを背負った。ここから、田中の投球が変化球中心となる。フォアボールを出した。1点も与えてはいけないという重圧か、いつになく臆病に見えた。

田中が語る。

ストレートを打たれてましたからね。打たれる印象というか、そういうのが、すごく自分の中にあるので、だから投げ切る能力がない。だから自信は持てないんです。

4回。強打者・柳田。ここでも変化球に頼った。だが、変化球を投げれば狙われる。次の打者にも再び、変化球。ホームランを打たれた。

続く5回のピンチ。キャッチャーがミットを構えたのは外角低め。投げ切れるか。だが、ホームラン。甘く入り、一発を浴びた。

今シーズン最悪の5失点。6敗目を喫した。

田中が振り返る。

いろんな感情が入り乱れているというか、そういう気持ちですね。チームが先制してくれて、いい流れの中で自分がぶち壊したゲームだったので。数々投げてきましたけど、その中でも一番ちょっと何もできなかった登板だったかなと思いますね。

野球人生でも味わったことのない、どん底だった。

元メジャーリーガーの斎藤隆に、「田中は今、何と戦っているのか?」を問うた。

あるとすれば、過去の自分ではないですかね。これはどんなアスリートでもそうですけど。手にした感触とか感覚とか、自分のマックスを忘れられないんですよね。新たな形の田中将大という野球人生においての転機のような年だと思うんですよね。

今、田中に必要なものとは何か。

つづく