【プロフェッショナル 楽天イーグルス・田中将大】大好きな野球だから、どんなことがあろうと戦い抜く(4)

NHK総合の録画で「プロフェッショナル 仕事の流儀 楽天イーグルス投手・田中将大スペシャル2021」を観ました。(2021・12・06放送)

きのうのつづき

伝説その3「負けから生まれた“神の子”」

2006年、田中は当時弱小チームだった楽天に入団した。

迎えたプロ野球初登板。連打を浴び、2回6失点で降板。敗因はランナーを背負ったときの投球にあった。

当時の紀藤投手コーチが語る。

クイックモーションが1.3秒以上かかりますと、そうすると必ず走られて。

投球動作に時間がかかり、盗塁を許す。

走られるのが嫌だからといって、ストレートが多くなりますと、バッターはそのストレートを待っているんです。

初登板から数日後、ベンチに入ったはずの田中がいない。

見たらいないので、「どこへ行ったんだ?探して来い」と言って、探しにいかせたら、1軍の室内練習場で「シャドーでクイックの練習やってます」と言うから、「じゃあ、もう呼びにいかなくていいから、自由にやらせておけ」。人のいないところでやるんですよ。そうやって見せないんですよ、努力しているところを。

迎えた4戦目。田中は弱点を克服していた。

クイックが速くなりましたね。「クソッ」というのが出たと思います。「負けたくない」という。

プロ初勝利を挙げた。試合後、野村監督は一言、「マー君、神の子、不思議の子」。

そして、野村監督は苦しいときに頼れる武器を田中に授けた。原点。あの外角低めのストレートだ。

田中が振り返る。

バッターから一番離れている部分だし、目からも離れているところだし、困ったらそこに投げられる能力を身につけておけというか。

野村監督いわく、「失敗」と書いて「成長」と読む。人間、恥をかかされないと飛躍しないんですよ。

田中が語る。

負けると言うのは胸くそ悪いですよ。でも、その中で、自分がどうそこから這い上がるためのことをしたか。何も考えていなきゃ、ただの負けだし、ただのバカだろうし。自分がどれだけそこから考えて、その負けからいろんなものを抽出するかやと思うんで。

つづく