【二ツ目勉強会 やっちゃう?!】〇〇の秋!四人四様の秋を魅せてもらいました!
らくごカフェで「二ツ目勉強会 やっちゃう?!」を開きました。(2021・10・08)
去年の春に二ツ目に昇進した落語協会と落語芸術協会の4人で勉強する会を去年10月にスタートさせて、今回が6回目の開催である。最初のうちは「初めまして」の間柄だった4人の関係も、回を重ねるごとに、その距離が縮まって、次の回のテーマは何にしようか、オープニングトークは何を話そうか、ざっくばらんに話ができるようになったのがとても嬉しい。
単純に仲が良くなるのでは意味がないが、ネタの出し方を見ていると、お互いに腹の探り合いをしているな、とか、こっちがそうきたら、あっちはそういくか、とかいうようなプロの噺家としての意識も感じ取れて、世話人をしている僕としてはそれも嬉しいのである。
今回のテーマは「〇〇の秋」だったのだが、果たして!?
三遊亭花金「馬大家」
渋い!いかにも花金さんらしいネタの選択に唸る。天高く馬肥ゆる秋、だからね。噺の構造は正月によく掛かる「ざるや」によく似ているが、花金さんのテンポの良さが光る一席だった。それと、花金さんのマクラが独特で面白い。前回からそれは感じていたのだが、子供時代のエピソードを自分の間合いで喋るとあんなにも面白くなるのだねえ。これも天賦の才だと思った。
昔昔亭昇「ガマの油」
昇さんはいつも元気である。この日のオープニングトークで、コロナから癒えた彦三さんの体調を聞いて、「もうすっかりよくなったのなら、もっと元気に喋ろうよ」と言って、「元気いっぱい!」と拳を振り上げてみてとリクエストしたのが可笑しかった。香具師の口上も元気いっぱい且つ流暢に。酔っ払った後のグデングデンぶりも愉しかった。
三遊亭ぐんま「週プロ論」
プロレス大好きなぐんまさんの「宗論」の改作である。本人曰く、スポーツの秋、そして「飽き」ない噺を選びましたとのこと。大日本プロレス派の父親vs新日本プロレス派の息子なんだけど、本家の「宗論」とは逆で完全に父親の方がプロレスにいかれてしまっているのが可笑しい。座布団を自由自在に使って、プロレスの技を繰り広げるぐんまさんが実にイキイキとしていた。
林家彦三「普段の袴」
本当は他のネタを考えていたそうだが、コロナ療養で時間がなく、あがらなかったということで、この噺に。文晁の作と思われる、惜しむらくは落款がない鶴の絵が出てくるので、芸術の秋とのこと。祝儀不祝儀のところ、サラッと流さないで、きっちり演ったほうが面白さが伝わると思った。噺が終わって、踊りを披露。「槍錆び」。こういう飛び道具を持っていると寄席で重宝すると思った。