【二ツ目勉強会 やっちゃう⁈】メンバーが少しずつ距離を縮めて、楽しみながら切磋琢磨していくのがいい

らくごカフェで「二ツ目勉強会 やっちゃう?!」を開きました。(2021・06・11)

去年10月にスタートしたこの勉強会だが、今回は事情により三遊亭花金さんが休演、彦三さん、ぐんまさん、昇さんの3人での開催となった。と言っても、彼らのことだからパワーダウンはしない。むしろ、花金さんの穴を埋めてあまりある奮闘を見せて、お客様を喜ばせてくれた。

オープニングトークで、今年の夏にやりたいことをテーマに掲げるも、話題は寝るときはクーラーを付けて寝るかとか、子供の頃の夏の悲惨な思い出とか、脱線に脱線を重ねるのが、このメンバーらしくて、逆に楽しい。

去年10月に第1回でほぼ初対面だった彼らが、少しずつ距離を縮めていって、言いたいことを言い合って、この会をどんな会にしようかと前向きに考えることにつながって、切磋琢磨していく姿を見るのは嬉しいものだ。

ちなみに、次回8月の会のテーマはジャンケンをして、昇さんのアイデアで「怪談噺」に決まった。と言っても、本格的な怪談噺という括りにはせず、最終的には「ゾッとする?笑える?怪談噺」特集に。さて、花金さんも加わって、どんな“怪談噺”が飛び出すやら。お楽しみに。

三遊亭ぐんま「赤ちゃんハイハイ」

生まれた子どもが何を喋っているのか、知りたいという親の思いを実現する、翻訳機を購入してきた父親。ミルクが飲みたいのか、うんちがしたいのか、という赤ちゃんらしい内容を発言すると思っていたら…。父親の出世のことまで心配する大人顔負けのことを考えていることにビックリ!という、いかにもぐんまさんらしい新作。「動物の噺」特集じゃなかったっけ?と訊いたら、「烏カァーで夜が明けて」で出てきたしょう、と。負けました。

林家彦三「大店の犬」

一門伝統の噺にチャレンジ。可愛がっていたクロが大坂の鴻池様に引き取られて、ブチは交通事故で死んでしまい、シロは寂しくなって大坂まで訪ねるが…。クロは自分だけが良い思いをしているのが申し訳なく、シロをご馳走で歓待してやるところ、人間の兄弟愛にも似てホロリとさせる。

昔昔亭「アルタイルにて」

一年に一度、彦星と織姫が出会う七夕をモチーフにしたファンタジーな作品に仕上げているのが、ああ見えてロマンチストな昇さんらしい。別の星に住む鈴木さんとお姫様の話が同時平行で進むので、話を講談のように扇子で膝を打って切り替える工夫をしているのが良かった。また、単なる綺麗なファンタジーにするのではなく、ドタバタ喜劇的な要素をふんだんに入れているのも、昇さんらしく好感が持てた。