【続・春風亭一之輔の寄席案内】「あー、面白いッ」「あー、この人、知ってる!」客席で口に出して喋るのはやめてください
一之輔チャンネルで「10日間落語連続配信 第二幕」を観ました(2020・05・26~3)
YouTube登録者数は5万人を超え、毎回1万人近くの人がナマで視聴し、アーカイブも合わせると、1回分だけで6万視聴という数字をたたき出す一之輔チャンネル。落語のこと、寄席の素晴らしさを普段なじみのない一般の方に知ってもらいたい、という一之輔師匠の熱い思いが第二幕でもビシビシと伝わってきました。その後半まとめです。
今回はナマ配信のみでアーカイブ対応なし(一之輔師匠の高座はアーカイブ対応あり)だが、色物さんに出演いただいたというのが大きいということは、前半まとめで書きましたが、寄席の魅力は、落語ばっかりだと疲れちゃうから、手品や漫才や紙切りが入るんです、と寄席入門でおっしゃっていた。ということで、第二幕前半まとめで、一之輔チャンネルにある「寄席・落語の素朴な疑問Q&A入門編」を書き起こしましたが、今回はさらに興味深い「上級編」です。
Q落語家と噺家、どちらが正しいのでしょうか。
Aイイですね!皆さん、よく落語家って言うでしょう。それと同じ商売で噺家とも言いますよね。口偏に新しいで「噺」。もう一つ、口偏に出るで「咄」も使うんですが、主に使うのは噺家ですね。どっちがいい、どっちが正しい、正直ね、どっちでもいいよ!そんなの!と僕は思います。亡くなった立川談志師匠は「俺は噺家じゃなくて落語家だ」とよくおっしゃていました。小三治師匠は「俺は噺家だ」と言っていたような気がしますけれども。私はどっちでもいいです。意味は同じですから。それぞれに基準があると思いますので。この人、五月蠅いな、と思ったら、その人の言っているように正しく呼んであげれば喜ぶんじゃないですかね。
Q“兄(アニ)さん”と“師匠”の呼び方の違いを教えてください。
A僕らは先輩のことをアニさんと呼んだり、師匠と呼んだりしますね。これが大阪だと「ニイさん」と呼ばれるんだと思いますが。多分、これは方言的なモノの言い方の違いだと思います。「アニさん」と私が呼ぶ人はですね、自分の入門したときに二ツ目の身分までだった人。真打までいってなかった人。おそらく、そういうルールがあるような気がしますね。で、その先輩が真打になったら師匠と呼ばなきゃいけないんですけれども、アニさん。人が大勢いるときは、師匠と呼んでいた気がしますね。アニさんと師匠の違い、なんですけど、私もどこかのエッセイに書いたんですけど、アニさんの方が」、ちょっと親しみがあるような気がしませんか?師匠と呼ばなきゃいけない人でも、アニさんと呼ぶことで、その人との距離が縮まるような気がしませんか。芸人って、そういうとこがあるんですよ。
本来、前座なんで、師匠になったアニさんは師匠と呼ばなきゃいけないんですが、いいですよね?アニさんと呼び続けても、みたいな、そういうお互いの距離の近さみたいのがあって、アニさんと呼ぶ人もいれば、本来、アニさんと呼んでいいんだけど、あんまり距離が近くないから師匠でいいや、みたいな。下からすると。わかります?この感じ。面倒くせいし、師匠と呼ばないと怒るような気もするし、だから師匠と呼ぼう!という、そういう人間関係の難しさもあります。だいたい、アニさんと呼んでる人から、何でアニさんと呼ぶんだ、師匠と呼べっていう人はいないですね。皆、優しいです。もういいよ、アニさんで、みたいな。どうかすると、師匠と呼ばなきゃいけない、入門する前に真打になっているのに、俺のことはアニさんと呼んでくれよ、って言う人もいますね。いい人ですよね。ですから、私はそういうことがないように、みんな師匠と呼ぶようにしています。
Q出囃子はどうやって選んでいるんですか?他の人とかぶることはないのですか?変わることはあるんですか?
A 出囃子というのは、噺家が高座に上がるときに流れる入場テーマですね。三味線と太鼓を叩きます。ですから、プロ野球だと、バッターボックスに入るときにテーマソングみたいのが流れますよね。その人の好きな曲が。清原だったら「とんぼ」。そういうことです。清原の出囃子は「とんぼ」なんですよ。長渕さんの。われわれ落語家も二ツ目に出世すると出囃子を持つことができる。前座のときは「前座の上り」といって、皆、同じ曲です。自分の出囃子を持てると、嬉しいもんですよ。私の出囃子は今、「さつまさ」という曲を使っています。歌舞伎の「髪結新三」という演目の中で流れる曲です。噺家の出囃子はだいたい、邦楽が多いですから。どうやって選んでいるかというと、二ツ目のときは「戻り駕籠」という歌舞伎の曲を使っていたんですけど、真打になったときに、うちの大師匠、私の師匠の一朝の師匠の五代目春風亭柳朝が生前使っていた出囃子を頂いて、使ってます。何か、ください!言ったら、貰れたんです。ちゃんと許可を得ないとね。怒られちゃうから。「いただけますか?」って、うちの師匠に訊いて、「他の兄弟弟子に訊いて来い。俺はいいから」と言われ、色んな人に「使っていいですか?」って、頭を下げた。「いいよ」「いいんじゃない」ってことで、使わせていただいています。
落語家の出囃子って、偉い人が使ってたやつていうのは、なかなか手が出ないというか、そういうことがあるんで。今、「留め名」じゃないですけど、この出囃子は使えないよねー、というような、先代文楽師匠の「野崎」、落語協会では使っている人はいませんね。かぶらないですか?という質問があったので、協会が違う場合はかぶってもいいみたいです。そういう暗黙の了解はあります。だから、私の「さつまさ」は落語芸術協会では円遊師匠が使っていらっしゃいますね。上方落語協会では、笑福亭生喬師匠が使っているそうです。ですから、協会がバラバラなら、かぶっても構わない。変わることはあるんですか?私のように、二ツ目のときの出囃子を真打になったら変えたという人は、いっぱいいると思います。だいたい、師匠がお亡くなりになると、その出囃子を引き継ぐパターンはありますね。だから、落語を聴くとき、この出囃子が流れると、この師匠が出てくるな、みたいな、「イントロ、ドン!」みたいになると、相当末期ですから考えた方がいいです。
Q寄席の客席でのタブーな行為はありますか
A携帯の電源は切ってもらいたいね。鳴るからね、結構。バイブ機能も結構聞こえるから。狭い、密なところだと。止めてもらいたいですね。携帯に出る人も普通にいますね。その場で「今、寄席」って言いながら、走り去っていく人もいれば、座ったまま「今、寄席」って出る人もいる。殺意が芽ばえますね。親の顔が見てみたい。見たかねえけど。酔っ払って、人に迷惑かけたりとか、常識の範囲ですね。私語ね。おしゃべりしたくなる人がいるんですよ。落語を聴きながら、「面白い!」とか、本当に言う。口に出ちゃう人っているんですね。どういうことなんですかね。一定数いるんですよ。世界に現存しているんですね。早く駆逐したいですね。駆逐したくないんで、やめてもらいたいですね。自分で気づいてもらいたい。いるでしょ。「あー、面白い」って言っちゃう人。「あー、これ知ってる」、「あー、この人、テレビで観た」、「あーこの人、知らない!」とか。本当にいるから。本当にいるんだよ!「あー、まだ生きてたの」って言う人いるから。結構年配のおばあさんで、金馬師匠を見て言うから。お前の方が年上だろ!という人が「金馬師匠、生きてたんだね」って言う。口に出して。聞こえるから!感じ悪いよ!だから、もうおしゃべりはやめて!自分の家じゃないんだから。
Q掛け声の掛け方を教えてください
A掛け声なんか、要らないんですよ、本来。待ってました!たっぷり!一之輔!とか。正直、無くていいんですけど。掛けたい人がいる、中にはね。ありがたいなとは思うけど。大阪の噺家の喬介さんがYouTubeで、「どのタイミングで、『待ってました!』と言われるのが嬉しいか」という検証をやっているのを見ましたが。人によって違うけど、僕の場合は、出てきたばっかりで言ってもらって構わない。姿が見えたあたりで。一番困るのは、「えー」って、喋りはじめたときに、「待ってました!」って言う人がいるんですよ、本当に。帰ってもらいたい。「タイミング、悪いよ」って、俺は言うけどね。「大丈夫?俺、喋ってんだから。今、えー、って言ったのに、おかしいでしょ!遅いよ!」と僕は言います。ちゃんとそういうのは指導しないといけないですから。あと、全員に「待ってました!」を言う人がいます。ありえないでしょう。「待ってました!おじさん」って、有名です。代演で、休みなのに「待ってました!」って言う人がいます。ありえないでしょう。出るってわかってなかったのに、「待ってました!」は。たまに「待ってました!おじさん」も言い忘れる場合がある。その人、傷つきますから。そういうの、やめてください。言うんだったら、全員にちゃんと言ってください。あなたに言ってますよ!
「たっぷり!」はね、たっぷりできないんだよ、寄席って。「7分でお願いします」とか、前座に言われるんですよ。時間調整してますからね。「時間が延びてますので、7分でお願いします」「あー、わかった」。で、上がると、「たっぷり!」という人がいる。「できねぇから」って言います。「今、前座から7分と言われたので、できません」と、ハッキリ言いますけど。「たっぷり!」も、トリのときがいいね。トリは、たっぷり演りますから。これ、ネタにしているんだけど、NHKの「プロフェッショナル」に出たことがあるんですけど、高座に上がった瞬間、「プロフェッショナル!」と言われたことありますから。やめてください。わかってます。素人じゃないんで。「プロフェッショナル」であることはわかっているので、やめてください。次の日、「プロジェクトX!」って言った人がいて、いつのテレビ見てんだ、昔だから。あと、「プロジェクトA」って言った人がいたけど、それはジャッキー・チェンなんで。
Q落語のネタはいつ決めるんですか。すぐできるネタはいくつぐらいですか。
A「上野鈴本演芸場探訪」の動画を見て頂ければ、その中で、寄席のネタ帳、大福帳が出てきます。あれを見ながら、ネタは楽屋で決めます。だいたい、自分の上がる30分前くらい前に入って、「ああ、きょうはこんなのが出てるんだな。じゃあ、コレにしよう」、前の人が演ったモノとネタがかぶらないモノを演りますね。基本的に楽屋で考えて、高座に座って、お辞儀して、お客さんを見て、マクラを喋りながら、2つ3つに絞っておいたものの中から1つ選ぶというのが、私は多いですね。いますぐ出来るのは、さっき勘定したんですが、37、8くらいありましたね。そんぐらいです、私はね。一日、時間をもらえば、だいたい出来ると思います。200数十くらいは、演ったことがあるんだけど。一日時間をくれ。そうすれば、できる。
Q落語の時間調整はどうしているんですか。体内時計で演るんですか。
A寄席だと、7分、12~3分で演ってくれとか、結構あるんで。基本、落語ってどんな噺でも、フルで演れば25~30分はあるんですよ。前座噺でも。それを12~3分で演るんですね。持ち時間15分のところ、マクラで2、3分で、あと12、3分で演るっていうので、落語家はカラダができてますから。それを詰めるわけです。詰めるにはどういうことをやるかというと、まず皆さんが見えないところに時計があります。時計を見ながら喋る場合もあるし、私の場合はメガネをかけませんから、時計の針が見えません。ですから、体内時計で、この落語は15分あるけれども、12、3分に作り直して、それをカラダで覚える感じですね。どう調整するか。もう、いきなりカットインしたりとか。「こんちわ!子どもの名前のことでね」と入るとか。色々方法はあるけど、これは皆さんが気にすることではないですから。こっちの問題なので、ほっといてください。
Qお弟子さんは住み込みですか?通いですか?アパート代は師匠が払うんですか?また、入門の年齢制限はありますか?
Aなんで弟子のアパート代まで払わなきゃいけないんだ、バカヤロー!うちは通いです。近所に住んでいます。アパートも高いところじゃなくて、安いところじゃないと住めないですから。何とかやってるみたいです。私も前座の頃は江古田という街の高野荘という2万円のアパートに住んでいまして。下が大家さん一家が住んでいて、階段昇っていくと、二階が個室になっていて、下宿に近いんですが、朝晩のご飯は出ませんですけど、ガスなし、トイレ共同、水道のみという6畳一間でしたね。だいたい、そういうところで生きていくわけですよ。年齢制限は30までだそうです、落語協会は。落語芸術協会は確か35歳です。
Q前座さんがネタ帳をつけるとき、演目がわからない場合はどうするんですか。
A袖で聴いていて、〇〇師匠のこのネタ、とわからない場合がある。こんなネタ、滅多に聴かないという場合は、その師匠が下りてきて、「このネタは何というネタですか?」と訊くと、「お前、こんなネタも知らねえのか!バカヤロー!」と怒られる場合があるので、必死にリサーチします。長年ずっと袖で聴いている年配のお囃子さんに「このネタ、なんですか?」と訊くのが一番いいですね。お囃子さんが教えてくれる。今は、結構、スマホでキーワード入れて検索する人がいるみたいですけどね。色んなことをしながら、寄席で修行するという。大変です、前座さんは。以上。
5月26日(火)ロケット団/漫才 一之輔「夢八」
漫才のネタを作る係の三浦さんは、自粛期間中に色んなネタになることが世間で湧き出て、もうポンポンできちゃったみたいで、コロナ関連を中心に危ないネタが溢れ出し、たっぷり披露してくれたんだけど、ここにはとても書けません。一之輔師匠もアーカイブ対応しなくてよかったと言っていた。キーワードだけ列挙すると、ボビーオロゴン、星野源、アベノマスク、ステイホーム、三密、鳥人間コンテスト、自粛警察24時、新庄復帰、あつまれどうぶつの森…。
一之輔師匠、「一度、痛い目に遭えばいい。特にメガネの方。訴訟起こされても文句言えないよ」。でも、三浦さんはこれをブラッシュアップして、寄席再開のときにはやるんでしょうね。この漫才は寄席なればこそであって、テレビでは絶対に見られませんから、と。そーなんだよね、そこが寄席の魅力だよね。コンプライアンスなんか、糞食らえ!
芸能人や俳優が落語家の役を演ることがある、と。「タイガー&ドラゴン」で、ジャニーズの長瀬くんですか、あれでブームになりましたもん。本当に女子高生が、きょうは長瀬くんは何時頃でますか、って本気で訊かれて、浅草演芸ホールの客引きやっている従業員が「2時半です」って答えた。「林家三平物語」は、三平師匠の役を山口達也さん。立川談志師匠のドラマは、晩年を田中珉さん、中年を中山秀征さん、青年期を小出恵介さん。映画「落語物語」では、前座役の柳家わさびさんの師匠が、ピエール瀧さん。山口達也、小出恵介、ピエール瀧に共通項が!
噺家役で一番巧いなぁと思ったのは、杉浦直樹さん、と一之輔師匠。「晴れのちカミナリ」というドラマで、先代の正楽師匠が書いた「正蔵師匠と私」が原作。それで八代目正蔵師匠を演じたのが杉浦直樹さん。(ちなみに僕は向田邦子「あ・うん」とか「父の詫び状」とかで印象に残っている役者さんです)その弟子の先代柳朝役が渡辺謙さん。その妻役が黒木瞳さん。一之輔師匠にとって大師匠のおかみさんで、可愛がってもらったけど、すごく豪快で男っぽいキャラクターだった。それが、黒木瞳!って…(笑)。
5月27日(水)のだゆき/音楽パフォーマンス 一之輔「普段の袴」
一之輔師匠、25日の色物ゲストのアサダ二世が登場する前に、三遊亭ふう丈さんに頼んで、アサダ五世として出演してもらったら、後日、丁寧で達筆なお礼状が届いたとカメラに見せて、感激していた。前座修行がきちんとできている噺家さんは、すぐに御礼の挨拶、それもメールや携帯でなく、手書きのハガキでくる。それもしっかりとした時候の挨拶つきで。素晴らしい世界だと思います。
で、ふう丈さんエピソードのマクラ。可愛い後輩。ほどのいいバカ、礼儀正しいバカで、カワイイと。彼が前座時代、彦根の仕事で一緒に行った。駅前からタクシーに乗って落語をやる会館へ。ふう丈さん、窓の外から見える景色に、オォー!とか、ウワァーとか、感動している。「大きなお城です、師匠!何城かな?」「知らないの?彦根城だよ。有名だよ」「僕の辞書にはなかったですね」「その辞書、捨てろ!」「了解です」。次に、「あ、ひこにゃんがいます!」「これは知っているの?」「有名ですよね」「順番が違うだろ!彦根城ありきの、ひこにゃんだ!ちゃんとしてくれ」「ごめんなさい。僕、岐阜は初めてなんで」「滋賀だよ!」。
5月28日(木)二楽/紙切り 一之輔「意地くらべ」
二楽師匠の高座に、弟子で息子の八楽さんが最後にちょっと出演したので、一之輔師匠が「二楽さんのお父さんが先代の正楽師匠、親子三代で紙切り芸人なんです」と紹介し、「私の父はヨシオ、母はヨシコ。私はその二世です」。子どもの頃、夫婦はみんな、名前が似ていて「ノブオ・ノブコ」「トシオ・トシコ」だと思い込んでいたと。「奇跡の子です」(笑)。
二ツ目になりたての頃の仕事のエピソード披露。お蕎麦屋さんでの落語と聞いていた。埼玉の新白岡の駅で待ち合わせ。軽トラで迎えにきてくれたが、助手席には奥さんが座っている。「荷台に乗って!大丈夫!しっかり掴まっていれば、すぐ着くから」と言われ、25分かかった。で、着いたのは大きな農家。訊くと、農閑期だけ蕎麦を打って、ふるまうとか。庭に高座らしきものがあり、その前に長椅子が並んでいる。で、一列ごとに一升瓶と乾きモノのつまみが置いてある。万国旗が吊るされ、紅白の幕で囲ってある。
マイクがない。「必要?」と言われ、「はい」と答えたら、選挙事務所から借りてきた、ボタンを押して話す拡声器。アジ演説か!と。終演後も、芋煮会の給仕をさせられ、ビンゴ大会の司会まで。50人の客全員に米が当たるという。賞品の意味ないじゃん!ビンゴの神に、ひざまずけ!若き一之輔さんの思い出。
5月29日(金)橘之助/浮世節 一之輔「加賀の千代」
一之輔師匠、今年は渋谷のハロウィンも中止ですかね、と。ヨーロッパのお盆?かぼちゃをくり抜いて、かぶるんですか?仮装する若者も多い。女子高生がゾンビみたいなメイクして西武池袋線に乗ってきたので、思わず「ヘッ!」と予期せぬ声が出た。そうしたら、その女子高生、「仮装だしぃ」。一緒にいた弟子に「ゾンビは土葬だよな」とオヤジギャグを言うと、察しの悪い弟子が「何ですか?もう一回、言ってください」。
コロナだから、弟子には「我が家に来るな」と言ってある。昇太師匠のところは、弟子全員に10万円の給付金を渡したらしいが…。「食えないよ」と言って、弟子にとったんだ。浮草稼業、いいじゃないか。がんばって!俺も頑張るから。不要不急の仕事ですよ。面白い!と思ったら、寄席に来てね!6月1日に寄席は再開するか、もうちょっと待ってね!
5月30日(土)仙三郎社中/太神楽 一之輔「明烏」
9日間は、らくごカフェからの配信だったんだけど、千穐楽は浅草演芸ホールからのナマ配信。客席数505。ガランとしているからか、やたら声が響いて、噺がこちらに届いてこなかった。一之輔師匠も演りにくそうな印象を持った。カメラも引きのサイズで、もっと詰めてもいいのに。特に太神楽はね。寄席の吉右衛門の土瓶芸も、あんな引きだと凄さがわからない。何か制約があったのかも。とにかく、お疲れ様でした!