「徳川天一坊」リレーフェス 紀州調べ~召し捕り

配信で「徳川天一坊」リレーフェスを観ました。
神田阿久鯉「紀州調べ~加納家より紀州着」
大岡越前守は山内伊賀之亮に論破され、病気届けを出して、将軍吉宗が源六郎君として紀州にいた頃のことを調べようと当時仕えていた加納将監の住む加納屋敷に足を運ぶ。将監は既に亡くなっていて、息子の大隅が家督を継いでいたが、母親の英昌院が応対し、源六郎君がお戯れになった沢野は請宿の四方田三蔵の紹介で女中奉公していたこと、そして沢野と親しい女中に今は和歌山在雑賀村で春日神職をしている山岡伊勢の妻、菊乃井がいたことを教える。
早速、越前守は公用人の白石治右衛門と吉田三五郎に紀州に行って取り調べをおこなうように命じる。二挺の駕籠で江戸を出立し、三日で紀州に到着した。
神田伯山「紀州調べ 第一日」
白石と吉田はまず四方田屋を訪ねるが、8年前に大火事があり、台帳は焼失してしまったこと、親父三蔵は焼死して息子が跡を継いでいることを知り、がっかりする。
だが、山岡伊勢の妻、菊乃井を訪ねると、沢野の小間使いをしていた治助ならわかるのではないかと教えられる。そして、治助から沢野の出身は平沢村ということが判る。そこで平沢村を訪ねると、古老の金左衛門が色々と教えてくれた。
神田鯉風「紀州調べ 第二日」
金左衛門によれば、沢野の父は菊蔵、母はおさんと言って、平野村に移り住むと、父は頓死してしまった。沢野は針ができるので、加納様の屋敷に奉公に入り、間もなく源六郎君の子を懐妊。だが、死産となり、沢野も間もなく亡くなった。母おさんは気が触れて名主の甚右衛門が引き取った。菊蔵、沢野、そしてその子も光正寺に埋葬されているという。
光正寺を訪ね、住職の田島舟山に沢野のことを訊ねる。沢野の墓はがけ崩れで消失しており、子の墓もなかったが、慌てて大きな石を積んで墓にして、小刀で「釈源徳童子」と戒名を彫った。つまり、吉宗御落胤はこの世にいないことが判ったのだ。
さらに天一坊の素性を知りたいと、平野村の名主の甚右衛門に問う。母おさんは焼死し、所持しているものはなかったという。甚右衛門に甚吉という息子がいて、十六のときに行方不明になった、歳は天一坊と同じ二十二と聞き、怪しむが容貌を訊くと全く違うことが判る。
ただ、同い年で修験者の感応院の弟子で源氏坊戒行という男がいたことを知る。だが、甚右衛門によれば旅修業に出て賊に殺されたという噂だという。戒行の衣類が出てきて、血痕が付いていた。年数が経って、血の色が変色し、黄色くなっている。人間の血ならば黒くなるはず。犬の血ではないか。さらに、下男の伝助が死んだはずの戒行によく似た男を見たという証言をする。白石と吉田はこの情報を持って、甚右衛門と伝助を連れて江戸へと戻ることにする。
神田愛山「越前切腹の場」
病気届けを出していた越前守に松平伊豆守から「登城せよ」との命が下る。越前守は決断を迫られる。紀州調べが間に合わなかったときには息子の十一歳になる忠右衛門と二人で切腹をする覚悟を決め、介錯人として池田大助を傍に置く。
「紀州調べはどのようになったのか…」。もはや登城を迫る刻限となったとき、白石・吉田の両名が駆け付けた。「御落胤とは真っ赤な贋者」との報告。天一坊は紀州平野村感応院弟子の源次坊戒行であるという調べ書きを読み、「でかした!」と喜ぶ。
神田阿久鯉「伊豆味噌」
越前守は登城し、伊豆守に天一坊の身の上について密々に言上したいと伝える。平野村の甚右衛門と伝助を連れ、調書を読んでもらう。伊豆守は「畏れ入った。よくぞ調べた。名奉行だ」と言って、越前守を同道させて、吉宗に報告。吉宗も痛く感心し、「小石川に委細申し上げ、召し捕れ」との沙汰。水戸家中納言綱條に報告。中納言もあっぱれと褒め、召し捕りの手配がされる。
神田伯山「龍の夢」
白石治右衛門は八山の天一坊館を訪ね、山内伊賀之亮に天一坊を吉宗が謁見する旨を伝える。伊賀之亮は「これで我らの天下は思いのまま」と喜び、酒宴をもうける。
能が披露されたが、天一坊は居眠りをしてしまった。そこで天一坊は夢を見る。川で魚釣りをした際、川面に映った己自身を釣ろうとしていた、己は角が生えて龍になっている、その角をへし折ってしまったという…。占い師の大森弾正に、これは吉夢か凶夢かと訊くと、大森は龍は将軍を表し、九代将軍になる吉夢だと答える。天一坊は喜んだ。
だが、伊賀之亮は唇を噛んだ。「これは悪事が露見しているという表れだ。目の前に天下があったのに…」。伊賀之亮は藤井と天中坊と天一坊だけ謁見に行かせ、自分と赤川大膳は八山に残って切腹することを覚悟した。
神田松鯉「召し捕り」
天一坊一行は越前屋敷へ。伊豆守、越前守らがお出迎えし、証拠の二品、お墨付きと短刀を下げ渡す。越前守は山内、赤川の2名がいないことに気づき、これは召し捕りを察知したなと勘付き、逃亡できないように包囲網を張る。
八山に向かった捕手は逃げる赤川と攻防戦を繰り広げた末に召し捕る。伊賀之亮は奥の屏風の向こうで腹を切って死んでいた。越前屋敷でも、天中坊日真と藤井左京は召し捕られた。
天一坊は茶室に案内されたが、その床の間に戒行着用の衣服が吊られおり、襖が開くと平野村の甚右衛門と伝助が現れる。そして、越前守登場。「もはや、これまで。大岡様には敵わない」と天一坊は観念し、捕まる。そして、鈴ヶ森で処刑されたという…。連続物の醍醐味を味わった。


