浅草演芸ホール桃組公演 蝶花楼桃花「元禄女太陽伝」

浅草演芸ホール三月上席四日目昼の部に行きました。今席は蝶花楼桃花師匠が主任を勤め、「桃組」と称して、出演者はすべて女性で編成する特別興行だ。また、今回は主任の桃花師匠の高座の後に大喜利の時間を設けている。

「手紙無筆」金原亭杏寿/粋曲 柳家小春/「権助魚」古今亭雛菊/奇術 花島世津子/「たけのこ」柳亭こみち/「味噌豆」林家なな子/中入り/太神楽曲芸 翁家小花/「松山鏡」古今亭菊千代/「女子会こわい」川柳つくし/漫才 ニックス/「黒田武士の由来」一龍斎貞鏡/「コンビニ参観」弁財亭和泉/奇術 松旭斎美智・美登/「宗論」三遊亭歌る多/中入り/「駆け込み寺」春風亭一花/漫才 すず風にゃん子・金魚/「反対俥」林家つる子/粋曲 柳家小菊/「元禄女太陽伝」蝶花楼桃花/大喜利

桃花師匠の「元禄女太陽伝」は金子成人原作。小朝師匠が演じているので、おそらく師匠から習ったのだろう。不器量だけれども花魁に憧れて女郎になった明るくて朗らかな小春ことおくまの生き様に赤穂義士伝を絡ませた秀作だ。

高崎の百姓の家に生まれたおくまは口減らしのために江戸に奉公に出される。花魁に憧れ、「給金は要らない。三度のおまんまが食べられたらそれでいい」と女郎になることを自ら願うことを珍しく思い、女衒の善八が手を尽くしてあげる。すると、伏見一丁目の栄澄楼の主人がその明るい性格を気に入り、小春と改名させて、女郎として雇うことにした。すると、器量は良くないが、人の話を聞くのが上手なことで人気を得て、「吉原の母」と呼ばれて贔屓もできる。

ある日、不破数右衛門と堀部安兵衛に連れられて、大石主税が吉原の大門を潜る。二人は「討ち入りを前にして、主税に男になってもらいたい」と口説き、町人の格好をしてやって来たのだ。主税は幼名を松之丞といったので、松吉と名乗って栄澄楼に上がった。そのとき、松吉の相手をしたのが、小春だった。

松吉?…松といえば、松の廊下。あれはどうなるのか。仕返しは諦めたのか。小春が世間話として赤穂事件のことに触れると、松吉は「いや、必ず仇は討つでしょう」と答える。また、小春は梶川与惣兵衛の相手をしたことがあると言って、内匠頭を後ろから羽交い絞めにして吉良を救った梶川のことを世間は薄情だと言うことに涙を流して悔しがっていたと話す。

松吉こと大石主税は一晩、小春と同衾し、一人前の男になった。これも「昼行燈」と悪い渾名が付くほど世間の目をくらましていた大石内蔵助の父親としての計らいだったのだ。小春が「また遊びに来てくださいね」と言うと、主税は真面目に答える。「もう来ることはありません。私は西方浄土へ旅に出なくてはいけません」。二人は後朝(きぬぎぬ)の別れを惜しんだ。

おくまを栄澄楼の女郎の小春として働けるように世話をした善八が仲間とのいざこざで刺され、亡くなった。遊女は勝手に吉原の外に出ることは許されないが、小春は特別扱いである。善八の通夜に出向いた。その帰り道、永代橋で「赤穂浪士が仇討本懐を遂げた」ことを知る。赤穂浪士が泉岳寺に向かう列に、「松吉」を見つけた小春は「松っつぁんだ!」と叫ぶ。装束には「播州赤穂大石主税」と書かれているが、お構いない。「松っつぁん、この間はありがとう!また来てね!」。

小春は吉原に戻り、「栄澄楼の小春が主税を男にした」旨のチラシを刷って、江戸中に撒いた。瞬く間に噂は広がり、小春は吉原一の売れっ子になったという…。お祭りムードの寄席だが、桃花師匠がしっかりと聴かせる噺をしてくれて嬉しかった。

大喜利。司会は桃花。回答者は雛菊、つる子、杏寿、小菊、つくし、一花。

第一問は「〇っ〇」言葉に意味をこめる。一花が「ガッツ」、秋の真打昇進に向けての意気込み。つくしは「でっか」、身長193センチの大谷翔平を見て。雛菊の「だっこ」、イケメンにされたい。つる子の「げっぷ」、ビールを飲んで。もっと綺麗な答えがほしい。杏寿が「ほっぺ」、桃花姉さんのピンクが可愛いとヨイショ。小菊の「ひっぷ」、昔はもう少し上にあった。いくつになっても乙女。

第二問は山号寺号。「〇〇さん、〇〇じ」。杏寿、雨があがって「太陽燦燦、綺麗な虹」。巧い。雛菊、「バルサン、ゴキブリ退治」。おいおい。一花、「旦那さん、拭き掃除」。夫婦で家事は分担とのこと。良いね。つる子、「雛菊さん、問題児」。言えている!杏寿、「間もなく解散、嵐ラストステージ」。綺麗だ。つる子、「桃花さん、綺麗ですね、勿論お世辞」。女のバトルだ。そして、締めは小菊、「演芸ホールさん、黒字」。桃組公演、成功を祈って終わった。