上野鈴本演芸場正月初席第三部 柳家三三「法事の茶」

上野鈴本演芸場正月初席「吉例落語協会初顔見世特別公演」三日目第三部に行きました。

奇術 アサダ二世/「花魁の野望」三遊亭わん丈/「魚男」古今亭志ん五/アコーディオン漫謡 遠峰あこ/「寛永三馬術 愛宕の春駒」宝井琴調/「妻の旅行」柳家はん治/漫才 ロケット団/「つる」柳家権太楼/「転失気」桃月庵白酒/民謡 立花家あまね/「新版三十石」五街道雲助/中入り/寿獅子 太神楽社中/「親子酒」古今亭菊丸/「芝居の喧嘩」春風亭一朝/ものまね 江戸家猫八/「ウルトラのつる」柳家喬太郎/紙切り 林家楽一/「法事の茶」柳家三三

ロケット団先生、去年は“市長ブーム”だった…私たちもラブホテルでネタあわせします(笑)。クマのプーさんの「人間、食べたいなあ」(笑ってはいけないけど、笑)。

権太楼師匠が元気な姿で「つる」を演じたのが、とても嬉しかった。そして、この「つる」が猫八先生、喬太郎師匠に連鎖するのが寄席の愉しさだ。

白酒師匠の珍念の「人間って、そんなものか」という悟りが味噌。そして、合コンというワードへのこだわり。和尚が「質問を質問で返すのは合コンで一番嫌われるんだ」という台詞に反応して、合コンって何かが気になって仕方がない。そして、その意味が判ったときの「和尚、やることやっているじゃないか!」というつぶやきが何とも可笑しい。

あまねさん、若さが弾けている初々しい高座。正月らしく「秋田大黒舞」の演奏、とっても良かった。雲助師匠の訛り丸出しの浪花節は爆笑の渦。

猫八先生、喉の調子が悪く、昨日は休演。卯、辰、巳の受難の三年が終わって、今年は午年だが、馬のいななきができず、歩く音と鼻息で乗り切ったのは流石。そして、権太楼師匠の「つる」を受けて、「生態学的に鶴は枝には止まれない」。ただ、アフリカのウガンダの国鳥になっているカンムリヅルのみ枝に止まれるという蘊蓄。アンコレ族のニャンコレ語でツルのことをエニャワーワーというそう。オスの首長鳥がワー、メスの首長鳥がワーと飛んで来て、エニャ(枝)に止まった!と小咄を創作するセンスが素晴らしい。

さらにこれを受けた喬太郎師匠。第二期ウルトラシリーズを代表するウルトラマンジャックは当時、ウルトラマンジャックとは言わなかった。帰ってきたウルトラマン、通称「帰りマン」「新マン」「ウルトラマン二世」とか呼ばれていた。それがなぜ、ジャックと呼ばれるようになったのかを隠居から教わった八五郎が嬉しそうに六ちゃんのところに行くと…。矢鱈とウルトラマンに詳しい六ちゃんにやりこめられ、「大人の事情なんだよ!」。ウルトラマンの人形を製造していたブルーマートとマルサン、懐かしいですね。

楽一師匠。鋏試しは羽根つき。注文でウルトラマンと跳ね馬。

三三師匠の本寸法の「法事の茶」、良かった。隠居が八五郎に教えたインド土産の「観るお茶」。お茶葉をよく焙じて茶碗に注ぐと、あら不思議、梅の木が生え、紅梅と白梅の花が咲き、鶯がやって来て、ホーホケキョ。「よく猫八さんの後に出来るな」と言うクスグリも可笑しい。

八五郎は女房のおみつにも見せてやりたいと、隠居に少しだけ茶葉を貰って同じようにやってみると…。柳の木が生えて、三年前に亡くなった親父の幽霊が出てきた!サゲは焙じ(法事)が足らなかった。一昨年に月例三三独演でネタおろしした珍品を掛けてくれて嬉しかった。