【吉笑三題噺六日間】⑤「ピロティの罠」
配信で「渋谷らくご 吉笑三題噺六日間」を観ました。(2022・03・11~16)
立川吉笑さんは去年12月に、シブラクで渋谷らくご大賞と創作落語大賞をダブル受賞されて、勢いに乗っている。そして、今年は真打昇進を見据えた動きが4月から始まる。ということで、3月のシブラク6日間興行で毎日、三題噺に挑戦する試みをすると知り、配信で全て観た。
15日。
「ピロティの罠」(ヒップホップ、ピロティ、パスワード)
まさかのカタカナ文字の三題。僕自身、ピロティという言葉を知らなかったが、2階の重みを柱だけで支えた1階部分にある吹き放しの空間のことだそうだ。
ちょうど、都庁がそういう吹き抜けの構造になっているので、小池百合子知事がヒップホッパー撲滅に動くという噺に。フリースタイルラップは、そういうピロティ的な空間でおこなわれるのだね。
ブレイクダンスも、ラッパーも、ヒップホップも、僕にはその言葉の違いがよ9くわからないのだけれど、確かにイメージとしてはわかる。だから、それでいいのだと思う。
東急文化村、渋谷109…これらピロティ的なものに禁止条例が発動され、東京中から全ピロティがなくなる。だが、小池百合子は都庁の吹き抜けだけを自由に使用可能とした。なぜ!?
そこには、罠があった。ヒップホッパーやラッパーを全て集まったところで、シャッターをして監禁してしまったのだ。それが撲滅の作戦だった。
抜け道はないか?パスワードは?ラッパーたちは破裂音をぶつける。パパパ・パフィー!パンプキン!パンパース!ペン、パイナップル!プーチン!パンシロン!
するとどうだ!脆弱な構造の都庁の吹き抜けを支える柱は破壊され、ラッパーたちは見事に脱出に成功しましたとさ。最後の破裂音の羅列が異常に面白い高座だった。