【吉笑三題噺六日間】⑥「ネグリジェ飛行機」
配信で「渋谷らくご 吉笑三題噺六日間」を観ました。(2022・03・11~16)
立川吉笑さんは去年12月に、シブラクで渋谷らくご大賞と創作落語大賞をダブル受賞されて、勢いに乗っている。そして、今年は真打昇進を見据えた動きが4月から始まる。ということで、3月のシブラク6日間興行で毎日、三題噺に挑戦する試みをすると知り、配信で全て観た。
16日。
「ネグリジェ飛行機」(ネグリジェ、飛行機、桜満開)
タカシは亡き父と同じパイロットになる夢を持っていたというのが、この噺の柱に。そこにネグリジェをどう絡めたか。
紙飛行機を飛ばす選手権で優勝すると、奨学金がもらえて、パイロット養成の専門学校に入学できるという設定が、吉笑さんが三題噺の師匠と仰ぐ三遊亭白鳥師匠の発想っぽくて面白い。
母子家庭のタカシは貧乏で、「わざと負けろ」と札束を突き付けて脅迫してくる金持ちの坊ちゃんがライバルというのも、これまた白鳥師匠が舞い降りた感じ。
タカシが流体力学を研究し、アルバイトの新聞配達でチラシを折って紙飛行機を試行錯誤。そんなとき、母親のネグリジェがフワフワと風を切って飛んで行くのを見つける。
なるほど!しっかりと折り目をつけては駄目なんだ。重さを軽くし、安い紙でフワフワと飛ばした方が距離が出ることを発見したのだ。タカシが考案した新型紙飛行機は見事に、ライバルの金持ちの距離を超えて飛んだ。スケスケ発想だ。
だが、優勝したタカシは諸学金は要らないという。なぜ?オチも脳内白鳥師匠が考えたようなダジャレ落ち。愉快だった。