【吉笑三題噺六日間】③「そう゛ぁ」

配信で「渋谷らくご 吉笑三題噺六日間」を観ました。(2022・03・11~16)

立川吉笑さんは去年12月に、シブラクで渋谷らくご大賞と創作落語大賞をダブル受賞されて、勢いに乗っている。そして、今年は真打昇進を見据えた動きが4月から始まる。ということで、3月のシブラク6日間興行で毎日、三題噺に挑戦する試みをすると知り、配信で全て観た。

13日。

「そう゛ぁ」(ほのめかす、メンヘラ、アイドル)

今回は擬古典の手法を使った。しかも、「新世紀エヴァンゲリオン」が下敷きになっているというが吉笑さんらしい。

新次郎が隠居を訪ねる。江戸が大変なことになっている。太陽が大接近し、海水温が上昇。洪水をおこし、江戸中が水浸し。それどころか、昆布出汁の効いた海水で、蕎麦が溢れている。江戸が蕎麦まみれの大騒動に!

その原因は、長屋のアイドルのおきぬちゃんを新次郎が許婚にしたが、そのおきぬちゃんを傷つけてしまったからだという。細くて長い、か細い、おきぬの思い。「それは、新次郎!お前を待っている、というメッセージなんだ」。

騒動を解決すべく、新次郎は蕎麦をかき分け、かき分け、前へ進んでいく。逃げちゃ駄目だ、おきぬをめがけて進め!麺を食いながら、新次郎は進むが、食べても食べても、「麺減らねぇ」。メンヘラ!

出た!ダジャレでメンヘラをクリアした。腰の清正の槍を使って、何とか到達。そして、新次郎はおきぬと出会うことができ、抱きしめる。これが、フードファイターなんだね。とてもファンタジー仕立ての一席になった。