桃月庵白酒 長月のバウ!「喜劇駅前結社」
「桃月庵白酒 長月のバウ!」に行きました。「喜劇駅前結社」と「火焔太鼓」の二席。対談ゲストは高田文夫先生、開口一番は桃月庵ぼんぼりさんで「無学者」だった。
高田文夫先生のお喋りは期待通りの面白さ、とても76歳とは思えない若々しさ、そして衰えない記憶力とよどみなく繰り出す洒落が圧巻だった。だけど、内容はとてもここには書けません(笑)。
「喜劇駅前結社」は柳家喬太郎師匠の作品。2013年9月上席の鈴本演芸場で「白酒の裏切り」と題して新作ばかりをネタ出ししたときに聴いて以来だ。
蕎麦屋の主人は30年前に青雲の志でブラジル移民してコーヒー農園で一旗揚げようと船に乗ったが、嵐に遭ってしまいカンボジアに漂流。そこで親切なポルポト派に助けられ、当時プノンペン小町と呼ばれた女性と結婚、それが現在の女房だと娘のノブコに打ち明ける。だが命の恩人のポルポト派が何者かに殺されてしまった。だから、仇討をしたい。手がかりはコードネーム“泣いたカワウソ”。
蕎麦屋にやって来て親子丼セットと鴨南蛮を頼んだ二人のサラリーマンが取引先のことを話しているのを耳にする。大手町ソニー物産のヨシナガ課長は泣き脅しが得意で“泣いたカワウソ”と渾名されているという…。蕎麦屋主人はその情報を元に、秘密結社の仲間と大手町へ乗り込むが、ヨシナガ課長は赤の他人だった。そこへ新たな情報が…コードネームは“笑ったラッコ”だったという…。
蕎麦屋の常連客で小説家を目指していたが、最近諦めて落語家に入門するという男がいた。落語…らくご…ラッコ?繋がったぜ!喜ぶ蕎麦屋主人だったが…。冒頭に出てくる娘のノブコが開発した「たらこそば」が伏線となり、「洗ったたらこ」が「笑ったラッコ」と結びつくという、奇想天外な喬太郎師匠初期の新作落語を白酒師匠がテンポ良い噺運びで楽しませてくれた。