「電撃Ⅱ」“解散”最終公演

「電撃Ⅱ」に行きました。落語協会の前座仲間5人が3年前に勉強会「電撃」を立ち上げ、去年皆が二ツ目に昇進したのを機に「電撃Ⅱ」と名前を改め、さあ本格的な活動に!と思っていたら、黒酒さんと小ふねさんが相次いで会を抜けたいということになり…。「電撃Ⅱ」としては3回目の開催が“解散”の回になってしまった。個性が異なって、とても魅力的なメンバーだったのに、残念だ。だが、「それぞれにそれぞれが一人でやりたいことがある」という、前向きな“解散”なので、メンバー全員の今後の活躍に期待大である。

三遊亭ごはんつぶ「スクキャット」

佐藤さんが地域猫を可愛がって、クロと名付けて餌をあげていたら、その猫がスクワット運動をするようになって、その様子を動画に撮影したら、テレビで話題に。そこへ、その猫は私が可愛がっているノリマキという名前の猫だと言う田中さんが現われ…。猫の行動範囲を追うと、佐藤さんと田中さん以外に元飼い主だったという加藤さんに突き当たるが、面倒くさくなって飼い主を放棄したという。その猫がなぜスクワット運動をしていたか…、それがこの噺のサゲに繋がるのが面白い。

桃月庵黒酒「やんま久次」

すごい迫力だった!大師匠の雲助師匠を彷彿とさせる高座に度肝を抜かれた。番町の300石取りの旗本・青木久右衛門の次男、久次郎は博奕場へ出入りするようになって、武士の息子であることを棄ててしまった。博奕の金が尽きて無心にやってきた久次郎に、以前剣術を指南していた浜町の大竹大助が腹を切って詫びろと迫るが、母親が親子の情を出して、3両渡して許してしまう。今度こそ改心して、侍奉公できるようにすると誓うが、それは嘘っぱち。大竹と別れた後、背中に向かって「真面目になんか働けるか!」と凄む久次郎の迫力に圧倒された。

春風亭だいえい「目黒の秋刀魚」

珍しい型。松平出羽守が目黒で食したさんまの美味さが忘れられず、登城の際に殿様仲間に「さんまは下魚らしいが、あんな美味い魚を食べたことがない。下々の暮らしを我々は知らないといけない」と自慢げに話す。すると、食通を自負する黒田筑前守がこれを聞き、屋敷に戻って「さんまを食したい」と所望する。だが、出てきたさんまの不味いのなんの…。再び登城の際に、出羽守に「美味くもなんともなかった」と訴えると、「さんまは目黒に限る」。

林家八楽 紙切り

鋏試しで「文金高島田の花嫁」、注文で「柴犬」「イングラム」。ちなみに「イングラム」とはアニメ「機動警察パトライバー」に登場する架空の人型ロボットだそうだ。その後、音楽に合わせて紙切りで物語を紡ぐ。「福岡ダイエーホークス」と「暴れん坊将軍」。

柳家小ふね「お見立て」

喜助のすっとぼけた感じが、小ふねさんのフラにマッチして独特の面白さを醸し出す。喜瀬川が「死んでしまった」と言ってくれと頼むのに、「様子がいいよぉ」を繰り返して、おだてて、喜助を動かす。だが、墓参りに行く段になると、喜助はそれではもう動かないので、今度は「夫婦になろうよ」と喜瀬川が口から出まかせを言うのだが、喜助はいとも簡単に引っ掛かってしまうのが可笑しい。

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