【吉笑三題噺六日間】②「笑福亭羽光失踪事件」

配信で「渋谷らくご 吉笑三題噺六日間」を観ました。(2022・03・11~16)

立川吉笑さんは去年12月に、シブラクで渋谷らくご大賞と創作落語大賞をダブル受賞されて、勢いに乗っている。そして、今年は真打昇進を見据えた動きが4月から始まる。ということで、3月のシブラク6日間興行で毎日、三題噺に挑戦する試みをすると知り、配信で全て観た。

12日。

「笑福亭羽光失踪事件」(うこう、ミステリー、いちご大福)

この日に共演した羽光師匠を主人公にするという発想が面白かった。

8月中席の笑福亭鶴光師匠が主任の興行。一門の弟子たちは総出演なのに、羽光さんだけ休演している。だけど一門の先輩も後輩も気づいていないという前提が何とも可笑しい。異変に気付いたのは、親友の吉笑だ。

この失踪事件を解決するために、ヨシダとコマダの二人の刑事が動く。羽光さんの部屋を捜索すると、遺書が残されている。自殺か。ホームセンターでロープを買ったという証言も得ている。

だが、他殺のセンもあり得ると刑事二人。吉笑が言うには、この遺書の文字は「羽光の字じゃない!」。確かにギャル文字のようだ。それに、羽光さんの部屋が妙に片付いている。いつも汚いのに。おかしい。「これは、デリヘルを呼んだのでは?」。

本棚の横にボタンがあって、そこを押すと隠し扉が開いて、階段が!降りていくと、落語「死神」のような真っ暗な地下室が。蝋燭だらけの広場。そして、そこには、ロープで縛られた羽光さんが!デリヘルで呼んだのか、SMの女王様のような女性が横にいる。監禁プレイ。放置プレイ。変態の羽光さんはそれにゾクゾクしている。そんな光景を想像しただけで、とても可笑しかった。