【昇太さんとブルースカイさん。SP】昭和は遠くなりにけり。わが青春時代にタイムスリップ!

東京建物ブリリアホールで「昇太さんとブルースカイさん。SP」を観ました。(2021・11・03)

副題に「IT‘S昭和TIME~音楽と落語で大好きな昭和を振り返る~」とある。スインギー奥田とザ・ブルースカイオーケストラ、そして春風亭昇太師匠。そして、今回がスペシャルなのは、ゲストに何と!小泉今日子が招かれていることだ。キョンキョンと言っても、喬太郎師匠ではない。本物のキョンキョンなのだ!

昇太師匠の「昭和版二階ぞめき」が最高だった。二層式洗濯機やジューサーミキサーの思い出を挿入して昭和を懐かしむのだが、何といっても秀逸なのはテレビのチャンネルをひねると様々な番組がブルースカイさんの演奏で飛び出してくる仕掛けだ。

CMソングだと、明るいナショナル、レナウン娘がイエイイエイ、伊東に行くならハトヤ。ヒーローものだと、鉄腕アトム、ウルトラマン、あしたのジョー。ほかにも8時だヨ!全員集合や11PM…。

そして、歌番組と言えば、「ザ・ベストテン」。今週の第三位は松田聖子「青い珊瑚礁」、第二位は中森明菜「飾りじゃないのよ涙は」で、小泉今日子が登場して2曲を歌い上げた。第一位を残しておいたのは、その後のお楽しみだった。

トークコーナーで小泉今日子が、毎日テレビ局が学校のクラスみたいなものだったと語った。「花の82年組」は、早見優、中森明菜、シブがき隊、石川秀美、三田寛子、堀ちえみ。当時は各テレビ局が生放送の歌番組を制作していて、ビックバンドの生演奏をバックに歌っていた。何事も大らかな時代であったなあ。

先日の落語会で喬太郎師匠がコロナが収束したら、カラオケ行きたい!と叫んで、「桜田淳子しばり」で何曲も歌うのが楽しいと言って、「気まぐれヴィーナス」を歌っていたけど、世の中が大らかだった。

気まぐれヴィーナスの歌詞をよく見ると、こうだ。

去年のトマトは青くて固かったわ だけど如何 今年は赤いでしょう 味もきっとくちびるとろかす筈よ こんな言葉突然言われたら あなたはどうしますか

現代はコンプライアンスや、セクハラやモラハラ、LGBTとやかましいことだらけだ。皆が自由に楽しくテレビというおもちゃ箱で遊んでいたいた時代は終わっちゃったのかもしれない。

小泉今日子は、この会の終わりでジャズ風にアレンジした「あなたに会えてよかった」を歌い、アンコールで「なんてたってアイドル」を歌った。あの頃のアイドルの中でも、自分のことを「コイズミは」と語る特徴的なアイドルだったし、そこがファンの心を掴んでいたのだけれど、今のアイドルにそんな魅力的なアイドルはいるだろうか。

昭和は遠くなりにけり。昭和という時代に青春を過ごした僕らは幸せだったのかもしれない。