もちゃ~ん 春風亭百栄勉強会「アメリカアメリカ」
「もちゃ~ん 春風亭百栄勉強会」に行きました。落語協会二階で毎月開催されていた、この勉強会もコロナ禍によって休止されていて、僕は2020年2月以来、実に3年10ヶ月ぶりに行くことができた。コロナが5類になった今年に入ってから単発的に数回開かれてはいたが、以前は当日券のみだったものが、定員30名の完全予約制となり、気がついたときには定員オーバーになっていて、行けなかったのだが、今回ようやく行くことができた。来年1月、2月も予定されているようで、今後はコロナ禍前の月1ペースに戻ると思われ、大変に嬉しいことだ。
きょうは「加賀の千代」「江戸っ子検定」「鼻ほしい」「アメリカアメリカ」の四席。特に「アメリカアメリカ」は2015年に4回聴いており、それ以来だから、とても懐かしかった。(道楽亭寄席の配信で2020年2月に1回聴いているが)
「アメリカアメリカ」。架空の料理番組「アメリカン・サイドデッシュ」は日系3世の料理研究家、アンディ・ヒロセがアメリカの郷土料理を紹介するというコンセプトの内容なのだが…。この日、紹介されたアメリカアメリカと呼ぶ料理は、どう見ても日本の「肉じゃが」なのを、無理やりこじつけているのが味噌だ。
僕の故郷、コネチカットでとてもポピュラーな料理、まさにアメリカを代表する料理と言いながら、用意する材料はポテト、オニオン、キャロット、それにサヤインゲン…、ポテトはアイダホ産でいいけれど、サヤインゲン?をフロリダから隠元禅師が持ち込んで広めた野菜とうそぶくのが可笑しい。
そして、肉はポークかビーフ。関東ではポーク、関西ではビーフが一般的だするところに破綻があるのに、関東は広東、関西はカンサスと誤魔化すアンディ。これらの具材を鍋に入れて、砂糖、醤油、味醂、酒でグツグツと煮込むという…。これって、絶対に「肉じゃが」だよね!と突っ込んでも、動じない料理研究家が面白い。
さらに可笑しいのは「アンディのちょっとひと手間」のコーナー。ポテトを面取りしましょう、これは煮崩れしないためです、ってこれも和食の技法だよね。この番組が500回も続いてきたけど、「アメリカの料理なんてハンバーガーかローストビーフかフライドチキンくらいしかないから、何とか誤魔化し誤魔化し、やってきたんだよ!」とアンディ・ヒロセが逆ギレするのが何とも皮肉で大笑いしてしまう傑作である。