【立川吉笑 三題噺百景】「胃袋宇宙旅行」(おにぎり、グルメリポーター、宇宙旅行)
スタジオフォーで「立川吉笑 三題噺百景」を観ました。(2021・11・06)
今年になって、吉笑さんが本格的に三題噺に取り組みはじめた。8月にやはり、このスタジオフォーで3日間連続公演を実施したが、そのときには残念ながら伺えなかった。そして、今回がその第二弾。やはり3日間連続公演である。仲日に伺った。
まず、吉笑さんが登場して、お客様に挙手してもらい、吉笑さんに選ばれたお客様がお題を述べる。それを笑えもんさんがナンバリングしながらスケッチブックに書いていく。10個挙がったところで、ストップ。そして、箱に入った1から10まで書かれた10個のゴムボールを笑えもんさんが3つ無作為抽出する。
順不同に、図書館、福耳、グルメリポーター、サインペン、全米が泣いた、宇宙旅行、エレベーター、おにぎり、キスマーク、ロープウェイ。この10個の中から、「グルメリポーター、宇宙旅行、おにぎり」が選ばれた。
ここで、吉笑さんは一旦下がって、他の演者の落語が高座でかけられる。
立川笑えもん「転失気」/春風亭昇咲「都道府県に関する一考察」/立川こはる「お見立て」/中入り/春風亭朝枝「紫檀楼古木」/雷門音助「加賀の千代」
およそ2時間。この間に創作した三題噺を吉笑さんが披露した。
主人公は彦麻呂さんだ。グルメ番組のロケの帰りに寄った実家で大好きなお母さんの握ったおにぎりを食べる。彦麻呂さんは、何よりもお母ちゃんの作ったおにぎりとすまし汁が大好物だという。
そして、実家を去った後に彦麻呂さんは倒れてしまう。病院へ。今回のグルメ番組はパスタの特集だったが、「どうしても取り上げてほしい」と懇願する蕎麦屋の店主の情にほだされ、1軒だけ蕎麦屋を食レポしたのだった。だが、彦麻呂さんは蕎麦アレルギーの体質。これが原因で倒れたのだ。
緊急手術。内視鏡を胃の中に入れ、蕎麦を一本一本取り出すと医師は言う。だが、内視鏡は通常の長さの管の何倍入れても、壁に届かない。彦摩呂さんの大食漢はこの胃の大きさにあったのか!管が果てしなく続く手術はまるで宇宙旅行のようだ。
そして!胃の中に光が見えた!お母さんの作ったおにぎりの米は「ゆめぴりか」。最上級の米だ。それを炊く水ににもこだわり、ツヤツヤのおにぎりが彦麻呂さんの胃の中に入っていたから、その輝きが助けとなって手術は大成功した。
その手術に「全米が泣いた!」のおまけつきには畏れ入った。
演目名は「胃袋宇宙旅行」。お見事であった。
また第3弾があったら、是非伺いたい「三題噺百景」であった。